PHANTOM

-街の形跡-
2つの道路に面した22坪の三角地に建つ家です。
区画整理により切り残された小さな変形地は、街の断片であり、現実味のない不安定な空間性質を帯びています。
その状態を象る3つの敷地境界から各々平行にセットバックした領域に分節し、中央には敷地の3角形が表出する平面構成とし、空間性質をトレースしました。2階に暮らしの中心を据え、プライバシーを確保するために閉じた3方向の外壁、それが作る3つのコーナー部分に外部吹抜けを設けることで、視覚的な空間のヌケを与えるとともに光と風を得ています。
小さな変形地だからこそ可能な空間構成があることを、この家は体現しています。

photo by Eiji Tomita